昨今、企業にとって人手不足が最大の問題になりつつあり、そのなかでも人材育成や、リーダー育成は大きなテーマです。
特に最近良く耳にするのが、自分で考え、自ら動くことができない指示待ち社員、考えない社員が増えているという話です。
昔は、良く「仕事は先輩を見て盗むものだ!」と言われたものですが、今の時代ではそうはいきません。この人材育成において頭を悩ましている企業は少なくないでしょう。
では、リーダーシップを発揮し、行動してくれるようになる社員を育てていくにはどうしたらいいのでしょうか?私は、剣道でよく言われる「守破離」の教えを実践することではないかと考えています。
守破離とは「剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。『守』は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。『破』は、 他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。『離』は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。」とあります(デジタル大辞典)
剣道では、始めから竹刀を持たされません。剣道の基礎中の基礎である、足さばきからしっかり習得します。
その基礎の教えを守ることができるようになると、基本の打ち方を学んでいきます。この基本を徹底して行うことで、自然に身体が技を覚えます。
小学生で基本を習い、中学校では技の基本を学び、技を磨き、高校ではさらなる技を磨いていく、といったように剣道では守破離が自然と行われているように感じます。
企業のリーダー育成の場合でも同じように、最初は先輩や上司の教えを忠実に守り、指導を受け入れることが大切で、この段階があるからこと次の自分で考えるという段階を踏めるのだと思います(ただしこれはリーダーになる為の指導であるというのが前提で、ブラック企業にありがちな、パワハラ、モラハラといった「指導」は論外です)。
ですので、入社した人材にいきなり自主性を求めても「何をすればいいのかわからない」となるのは当然だと思います。ただ、頑張らせるのではなく、結果を出すために変化させる必要があります。
それには、基本の仕事を忠実に覚えて、自然にできるようになった後に、「自分のやりたいことをしっかりと言語化し、行動に移せるように」行動改革を行うことが重要です。
基本をしっかり守るからこそ、テクニックや、応用が活かせるようになっていきます。
これは剣道でも、リーダー育成でも同じなのです。
これからの会社が伸びるためには、会社が掲げるビジョンをどのようにリーダーに浸透させて、育成していくことが急務ではないかと私は考えています。
武道具の会社らしく、武道の教えを実践していき、自分で考えて行動できる社員を沢山作っていきたいものですね。