過日、東洋経済オンラインでこんな記事を目にしました
「DeNA 筒香『球界の変わらない体質』にモノ申す」 子供の「野球離れ」は大人が作り出した必然だ
筒香選手が語る子供の野球人口が減る3つの理由に非常に興味深いものがありました。
それは
「勝利至上主義」
「大人、指導者の顔色を見て怒られないようにプレーをしている」
「指導者や親が答えを与えすぎるので、子供たちが指示待ちの行動しかできない」
というものです。
これはまさに日本の剣道人口が減っている理由と同じではないかと感じました。
近年ヨーロッパで剣道が盛んになってきており、世界的に見ると剣道人口は増加傾向にありますが、日本では剣道人口が減少しています。
これを単に人口減少や少子化の影響だと捉える方もいらっしゃると思いますが、私自身は剣道の目的が変わってしまったからではないかと考えていました。
勝つことだけが目標になり、指導者に怒られることを恐れて萎縮してしまう。
自分の頭で考えることをせず、指示通りの行動しかできない。このような傾向が強くなったことで、剣道を心から楽しめなくなって剣道離れが進んでしまったように思います。
一方ヨーロッパの選手が楽しそうに剣道をしているのを見ると、勝つ為に練習しているのではなく、剣道の理念である「人間形成」これを目的として競技を行なっているように感じられます。
鍛錬を通じて自己を高めていく剣道の本来の良さがしっかり伝わっているからこそ、ヨーロッパでは剣道人口が増えているのではないでしょうか。
勝つことでしか得られない喜びも確かにあります。
しかし仲間と汗を流して切磋琢磨する、勝っても負けてもそこから学んだことを自分の糧とする、自分に足りないものを補う方法を自分の頭で考える力を養う、そういった心身の鍛錬にこそ剣道の良さがあると私は信じています。
東山堂も剣道の良さを若い剣士の皆さんにもっと伝えて、剣道を楽しんでもらえるよう努めなければならないと考えさせられた記事でした。