2月21日に放送されたTV番組「マツコ&有吉 かりそめ天国」で、剣道が題材にされていました。お笑い芸人のチャンカワイさんが、剣道8段の先生から一本取ることに挑戦するというものです。
番組に出演された8段の先生は剣道歴57年で73歳。長年、名門中京大学で指導された林邦夫先生です。失礼ながら73歳といえば一般的にはご高齢と言われるお歳でいらっしゃいます。一方チャンカワイさんは今年38歳、2段保持者で高校時代は三重県ベスト8になった経験があります。
若いチャンカワイさんの勢いで押せるかと思いきや、実際には1本取るどころか全く歯が立たずあえなく「降参」に至りました。3分間の試合を14試合も行なったにも関わらず先生は平然とされていました。剣道を極めていくと体捌きに無駄な動きがなくなり最短・最速で反応することができるようになります。最高位である8段の域になると最小限の足の動きと竹刀の動きで相手を捉えることができるのです。
8段の昇段試験がどれほど難しいのか説明があり、その実力がいかにすごいものなのかもよくわかる番組でした。このように剣道が歳を重ねても取り組めるスポーツであることや礼儀を重んじること、また勝つことよりも日々の鍛錬を通じて人間形成を目指していることなど、剣道の良さが伝わるような番組が増えてくれると普及も進むものと思います。
剣道や武道業界も、これからは独自のメディアを持って情報発信することが必要な時代だと感じています。スマホの出現が大きな転機となり雑誌離れが顕著になるなど、消費者が情報を得る手段は急速に変化しています。剣道も競技としての伝統と歴史を継承していくことは大切ですが、メディアの分野ではイノベーションを起こしていくことも必要だと感じています。
武道具の会社である東山堂からも、沢山の人へ武道の良さが伝わって業界がもっと盛り上がるイノベーションを起こしていきたいと考えています。