サッカー日本代表長谷部選手から学ぶ組織論

ワールドカップが盛り上がっているのでワールドカップネタと言うわけではありませんが、日本代表は見事に決勝トーナメントに進出しました。

本田選手や、乾選手、長友選手、大迫選手、香川選手などがよくメディアで拝見しますが、私は、長谷部選手の統率力が世界も驚くこの躍進に繋がっているのではないかと思っています。

世界中から賛否が巻き起こった、ポーランド戦の後半10分の戦い方。

その戦い方をしっかり選手に浸透させて、監督の作戦変更の目的に対して、ピッチの選手達も落ち着かせ、一つの目的を遂行できたのは長谷部選手の力ではないかと思います。

選手は勝負は勝ちたいものですし、勝負に勝つために一生懸命戦っています。

特に、国を背負って戦うのですから、その誇りももちろんあるでしょう。

剣道でも、世界大会は日本は負けられない戦いです。

負けてもいい!そんなことを考えている選手は一人もいなかったはずです。

しかし、このポーランド戦は、コロンビアが1対0で後半を迎えその結果を見た日本は、「負けてもいい」と言う決断を下します。

本来選手は、勝つために戦います。

そんな選手たちに、監督の意図を説明し、浸透させたのが長谷部選手なのです。

スポーツの世界とビジネスの世界は同列に語れないかもしれませんが、長谷部選手は、朝日新聞デジタルの中で、リーダに求められる資質をこのように話しています。

”抽象的だけど、究極のバランス感覚です。1人の人間としても大きなテーマだと考えています。たとえば船が遭難して、やってきた救助のボートの定員は99人だけど、船には110人ほど乗っている。自分が99人を助けるとして、だれを優先すべきなのか。子どもか、お年寄りか、なんてことを普段からすごく考えます。何かを決断する際、だれかの意見を尊重したとして、次回は別の人の意見を尊重することも意識しますね」”(朝日新聞デジタル「嫌われたら仕方ない、と割り切る」 長谷部誠の組織論より)

組織として、何を優先させればいいのか?

その優先事項をしっかり遂行するためには、自分の意見を押し通すのではなく、組織内のバランスを考えることが重要だと言うことです。

これは会社組織でも同じかもしれません。

また、チームメイトとの関係で意識することをこのようにも話しています。

”「サッカーは、選手1人でチームを引っ張るのが難しいスポーツです。ドイツのクラブの多くでは、開幕前に選手の中からリーダーを5、6人選びます。ことあるごとにメンバーで話し合い、監督とも向き合う。考えをまとめると、チーム全体が同じ方向へ進みやすくなります。僕も日本代表では経験のある何人かの選手たちと話をして、同じ意識を持つことをとにかく大事にしています。若手も、ついてきてくれます」”(朝日新聞デジタル「嫌われたら仕方ない、と割り切る」 長谷部誠の組織論より)

会社もやはり同じではないでしょうか。

会社の中で、意思統一ができていない場合はよくあります。

同じ会社なのに部署が違えば何をやっているのかがわからない。

このような状態になっている会社は結構あるように思います。

会社は、社長と言う監督の元に、各リーダーが存在します。

会社の目的を達成するために、それぞれが頑張るのではなく、全体で同じ方向へ向くことが非常に重要です。

そのためには、しっかりコミュニケーションを取ることが大切だと思います。

このような意識を持っているからこそ、長谷部選手は、短期決戦のワールドカップで、勝つことを目標に戦っている選手たちに、負ける戦術を浸透させ、見事決勝トーナメント進出することができたのだと思います。

個人、個人の思いではなく、チームとして何を優先すべきか?

それを監督の指針を元に、見事やってのけたのです。

会社も、社員一人、一人の思いは当然あるでしょうし、私も社長としてしっかり尊重はしたいと思っています。

しかし、会社全体として、何を優先させればいいのか?と言う目的をしっかり浸透させられるリーダーが必要だとワールドカップの出来事から思いました。

長谷部選手が最後に話していた、この言葉がものすごく印象的でした。

”相手を変えるよりも自分を変える方が簡単だし、自分が変わればチャンスはまた、あるはずです」”(朝日新聞デジタル「嫌われたら仕方ない、と割り切る」 長谷部誠の組織論より)

相手を変えようとすると不満が出ます。

変えるのではなく、自分が変わる。

仕事でもうまくいく人はこんな思考ではないかと思います。