オリンッピック種目でない剣道が、世界中で競技人口が増えている理由は剣道の理念にあり

剣道の世界大会は「世界選手権」として3年に1回行われています。世界中から57の加盟国が参加し、世界一を目指すのです。ちなみに次の世界選手権は今年韓国で開催されます。年々加盟国は増加しているものの、オリンピック種目ではないためメディアなどでの露出が少なく、残念ながら世界大会といえども一般的な知名度はあまりないように思います。未経験者に「剣道にも世界大会があるの!?」なんて驚かれることもしばしばです。

そんな剣道ですが、なぜ海外では競技人口が増えているのでしょうか。そこには剣の道が目指す「人の在り方」に理由があると思うのです。剣道の理念に「剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である」というものがあります。

剣豪と言われる宮本武蔵も「心」に関する数多くの言葉を残しています。少し例を挙げますと
「体の大きい者も小さい者も、心をまっすぐにして、自分自身の条件にとらわれないようにすることが大切である。」
「日々にその道に励んでも、心が本道に背けば、自分ではよい道と思っていても、正しい道からみれば実の道ではない。実の道を究めなければ、少しの心のゆがみにつれて、後には大きくゆがむものである。」などがあります。

海外でも宮本武蔵の「五輪書」は有名で、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソも以前「敵山と思はば海としかけ、海と思はば山としかくる心」を持つことが大事だとツイッターで引用したことがあるほどです。

インターネットが普及し世界中が便利になったからこそ「心」や「人間力」という本質が求める人々が増えたように思います。そういった人々が技や強さだけではなく「心」も重んじる剣道に魅力を感じて、競技人口が増えているのではないでしょうか。

武道・剣道はその道を極めていくことで人としての「心」や「人間力」を鍛えるものです。東山堂は武道具メーカーとして「心」を大切に、世界中の選手の皆さんをサポートしていきたいと思います。